季刊誌Ministryとは

Ministry ミニストリー 4つの特色

特色1現在を読む歴史を解く

現在を読む歴史を解く
社会やキリスト教界の 諸課題を取材・検証・解説する業界誌
  • 特集
  • ニュースを神学する
  • 時事評論

特色2技量を磨く知恵を分かつ

技量を磨く知恵を分かつ
牧師のスキルアップや教会運営に役立つ 「実践神学」の専門誌
  • シリーズ・日本の説教者 説教+ロングインタビュー
  • 連載「説教鑑賞」「礼拝探訪」「牧会指南」「うたといのりの資料室」「1から始める教会教育」

特色3隔てを超える他者と出逢う

隔てを超える他社と出逢う
違いを超えて議論できる「広場」を提供するミニコミ誌
  • 対談
  • インタビュー「ハタから見たキリスト教」
  • 新来者が行く

特色4次代を担う 時代を拓く

次代を担う 時代を拓く
「和解」と「形成」のために新風を起こすオピニオン誌
  • 次世代を代表する執筆者
    荒瀬牧彦/岡田 明/越川弘英/関谷直人/西原廉太/平野克己/古谷正仁/水谷 潔/みなみななみ/桃井和馬/八木谷涼子
  • 神学生インタビュー

雑誌に『信徒の友』や『(教会学校)教師の友』はあっても、『牧師の友』はこれまでありませんでした。そこで、実践神学に携わる「中年たち」がさまざまなところから集まってきて、新雑誌を創刊しようということになりました。わたしたちの願いは一つです。次世代の教会を築く若い牧師、そして教会役員たちが、元気にこの荷を負っていけるように! この雑誌が、特に次世代の教会を担う牧師たちの「友」になることを願っています。そして、教会を造り上げるつとめを担い続ける教会役員の方々にも、誌面を通して復活の主の息吹が届けられますように。

Ministryをおすすめします!

賀来周一

賀来周一

元ルーテル学院大学・神学校教授

牧師にとって、伝道牧会の世界はそこで何をしなければならないかは、頭の中では分かっていても、いざとなるとどこか手探り状態のようなものがあるものです。そのような時、何か手がかりがあると気持ちの上でも、活動の上でも大いに助かります。 このたび、キリスト新聞社では、この出版不況といわれる時代にあって、敢えて意を決し、牧師のための応援マガジン「Ministry」(季刊)を刊行されました。この国の宣教に対する熱い思いと教会を憂える深い心情がその背景にあります。これまでも、牧師や信徒のための定期刊行物は数多く発行されてきました。それぞれに益するところ多大なものがありましょう。 それらの中にあって、応援マガジン「Ministry」の刊行目的は、教会が「ゲンキ」になることなのです。牧師にとって伝道牧会の現場で実践的なヒントが与えられ、かつ神学的にも刺激を受けて、「ナルホド、ソウカ」とうなずけるものを提供してくれる雑誌があれば、教会の活性化はまちがいありません。その意味において、ぜひ手許の一冊に加えていただきたいと願うものです。 本誌は、二つの点で特色を持つと考えられます。ひとつは、今日の教会にとっての緊急課題を具体的に探ろうとしている点、もうひとつは、教会を外から見て、何が問題なのかを拾い出そうとしていることです。教会を内と外から見ることで、伝道牧会への思いがけない新しい手がかりを発見するのではないでしょうか。

郷家一二三

郷家一二三

日本ホーリネス教団委員長 坂戸キリスト教会主任牧師

先日、第5回日本伝道会議が札幌で開かれた。2,000名の牧師と信徒が参加し、「危機の時代における宣教協力 もっと広く、もっと深く」のテーマのもとで、多様な集会が4日間にわたって繰り広げられ、日本の教会の危機が多様な角度から分析され、論じられた。そして宣教協力の重要性が訴えられ、「キリストにあって一つ」が強調された。 しかし、本当にそれで危機を克服できるのか。根本的なズレを私は感じた。私が所属する日本ホーリネス教団も、昨年の受洗者数が全国の教会数を下回った。100年を越える教団始まって以来の、まさに危機そのものである。 わたしがなぜ、われわれ危機の時代に生きている牧師・信徒に、「Ministry」(ミニストリー)を読んでほしいのか。この雑誌は、伝道会議同様に多様な角度から教会と社会の問題を切り取って見せてくれる。しかし、それにとどまらず危機克服の道をも示しているからである。 雑誌の真ん中に、日本の説教者へのロングインタビューと説教のDVDが付いている。付いているというのは正しくなく、この説教に前後の内容が付いている、と私は見ている。福音を語り、聴き手に届ける説教の再建。われわれの説教が、その内容と語調を神によって変えられること。それが危機克服の唯一の道だと「Ministry」は主張している。 伝道会議の聖会でハガイ書が説教された。会衆は説教によって、神殿再建を投げ出した民に自分の姿を見た。安逸を貪っている罪を指摘され、勇気を出せ、仕事にとりかかろう、神が共におられるからと、時間を忘れて説教を聞いた。緊張感のある集中した説教によって、神の前に引き出されたからである。一同は立ち上がり、最後の悔い改めの涙の祈りに、アーメンと一つになった。 教会の元気、それは神の言葉である説教から来る。説教の力を回復する道を「Ministry」は示している。

山岡三治

山岡三治

イエズス会司祭・上智大学神学部教授

受ける者から与える者へ み言葉を宣べ伝え、信仰をあかしすることは今日のカトリック者にとって大事な使命であって、生きがいである。かつては教会のなかで秘跡や恵みを「受け」、その喜びを味わうことが中心だったようなカトリック者は、いまや「受ける者から与える者」に変えられて、人々に神のみ言葉をどう伝えるか、宣教する相手の状況がどのようなものなのかをよく理解し、活動に生かしていこうという自覚が育ってきている。 ただし、現代世界はまことに複雑で、身近で全地球的な難題が山積みであり、多くの重い課題の前で無力感と孤独を感じてしまいがちである。とくに若い牧師や司祭たちの悩みと挑戦は大きい。国内外のニュースや文化の情報をキリスト者としてどう理解し、取り組んだらよいのか。どのようにあかしし、具体的にどう説教し、福音の使命を実現したらいいのだろうか。 そのような格闘中の宣教者たちの交わりと学びと出会いの「場」として季刊『MINISTRYミニストリー』が発刊された。本誌はまことに時宜を得て、宣教にかんするテーマが目白押しである。発行者のキリスト新聞社は、従来からカトリック、プロテスタントの区別なく、ホットな話題を提供し、ニュースや文化、出版物の解説にも秀でている。このたび「Ministry」が宣教を志す牧師・司祭や教会役員らの使命遂行の大きなサポーターとなってくれているので、カトリック教会としても大いにこれを利用して、宣教の成果をあげていきたい。ちなみに第四号付録のDVDでは教義学者としてのみでなく説教者としてもよく知られているイエズス会司祭・上智大学神学部教授岩島忠彦氏のなまの声と映像に接することができる。

中道基夫

中道基夫

関西学院大学神学部准教授

「経験知」という言葉があります。経験によって獲得した知識のことです。「肌で知っている」と表現されるように、なにかを体系的に教えてもらったり、学ぶのではなく、人が実際の経験を通して獲得する知識です。 わたしが神学生の時、ある学生が教授に「キリスト教の葬儀はどのように行えばいいのですか」と質問したときに、その教授が一言「それはね、君、式文通りやればいいのだよ」と答えたのを覚えています。この教授の答えは、この言葉のままですと大変拙いものです。しかし実際はこの教授は牧会経験もあり、ただ単に「式文通り」だけやってこられたわけではないことも知っていました。教会の実践的な分野ではこのように経験知が尊重されてきました。ただ、それを言葉するのは難しいので、これまで言葉化するのを怠ってきたのではないでしょうか。説教、礼拝、牧会や、教会教育も経験知の世界であり、特に習わなくても数をこなしていけば、なんとかなっていくものだと思っていたのではないでしょうか。そして事実何とかなってきました。 しかし、現在、この経験知が一つの危機に直面していると思うのです。時代の変化の中で過去の経験が頼りなく感じます。そして、各個教会主義や教会内の分裂は、これまで教会の中で培われてきた経験知の継承や発展を難しくしています。また、孤立した環境の中では間違った経験知を蓄積してしまうこともあり、経験知そのものが育たないこともあります。外からの刺激を受けることなく、硬直化していないでしょうか。説教も礼拝も教会教育においても、これまでと同じことを繰り返しているだけでは、教会は魅力を失っていくような感じもします。 今回わたしたちが企画しました「Ministry」は、教会の中で蓄積されている経験知を様々な視点から批判的に問いつつ、活性化させ、言葉化することによって「専門知」へと高めようとする試みです。そのために、エキュメニカルな刺激や教会外からの視点も求めました。 この雑誌で扱われるテーマが牧師と信徒という区別なく教会で共有されることによって、「次世代の教会をゲンキにする」ことができればと願っています。是非、「Ministry」をご購読くださり、日本の教会の実践的な経験知と専門知を共に高めていきましょう。